独楽力…自ら楽しみを見出す力



何かを学ぶとき、誰でも最初は「知らない」からスタートします。その後、「知る」を経て、二手に分かれます。「わかる」と「わからない」ですね。ここが多くの親御さんのつまずきポイントです。我が子が「わからない」に進んでしまうとなんだか不安になってしまうのです。特に学校のテストで点数が低かったり、学校の先生から懇談で指導されたりするとさらにその不安は大きくなってしまいます。

しかし、ここはそれほど大した問題ではありません。なぜなら理解度には個人差があるからです。同じ学年でも生まれたタイミングによって約1年間の差がありますし、子ども自身の経験値の差もあります。また、勘違いされていることもあるのですが、「点数が高い=わかっている」ではありません。
「わかる」ということは、言い換えるならば「イメージできる」「自分の言葉で説明できる」ということです。

重要なのはその次の分岐にある「やらない」「やってみる」の部分です。これは学習を進める上での分かれ道と言ってもよいかもしれません。当たり前の話ですが、やらないとわからないままです。進歩も成長もありません。やってみたいと思わすことができるかどうかは、周りの大人の働きかけが大切です。

さて、「やらない」に進んだ人は「おもしろくない」に行き着きます。ここで質問です。図の矢印が点線であることに気付きましたか?これにはちゃんと理由があるのです。それは実際にやったわけではないということです。つまり、正確には「おもしろくないであろう」という勝手な思い込みなのです。これはとてももったいない状況です。実はやってみたら、意外とおもしろかったり好きになったりするかもしれません。でも、やらないのでそのチャンスを見逃すことになるのです。

一方、「やってみる」に進んだ人は「おもしろい」か「おもしろくない」に着地しますが、それはどちらでも構いません。やっていればどちらとも出会います。体験してみることが何よりも大切なのです。体験を通して感じたことが、自分の価値観を作り上げる礎となります。小学生までは種を蒔く時期。種を蒔かないと芽は出ないのです。

自ら考え、行動するための第一歩は、わからないことに対して前向きに取り組める姿勢を身に着けること。それは「やってみる」ことの積み重ねでもあります。
まずは結果よりも過程に寄り添うことが肝心です。